オススメ百合漫画 どれが恋かがわからない

ジャンルは百合ハーレムラブコメ


とはいえ、この漫画は内容自体はコミカルチックに描かれていますが、主人公の心情などを考えるとなかなか重い部分もあります。
テーマとしては百合ハーレムなラブコメですが、そのキッカケとなった出来事が、主人公が親友だった女の子に告白しようとして、その女の子から「私、彼氏が出来たんだ!」といわれたことから始まっているのですよ。
主人公はそのとき高校生の卒業を控えていたときだったので、好きな人が出来たといわれたままその親友とは別の大学に進学することに……
とはいえお話が進んでいくと、その親友にもなにやら複雑な事情があったようで……? というのは、読み進んでからのお楽しみです

そこから、自分を変えて今度こそ彼女を作る! と主人公が意気込みながら大学生活を迎えるところから物語が始まるのです。

これ、改めて考えるとなかなか重い設定だと思います。全体的なシナリオはコミカルチックになっているのでごまかされがちですが、根幹にあるのは女の子が女の子に思いを伝えるということが、常識的なことではない……という世界観です。
それゆえ、主人公は他の女性たちから思いを寄せられているのに、その好意に気付かなかったり、自分の思いが本当に恋愛的な感情なのか……と思い悩んだりします
ちなみにこのどれが恋かがわからないは、今のところ5巻まで出ています(2025/4月現在)
続きもありますので、期待して待ってます

でもやっぱりジャンルは百合ハーレムラブコメ

とはいえ、流石にジャンルは百合ハーレムラブコメなだけあって、心理描写では甘い部分だけではないことは感じさせつつも、基本的には様々な女性から思いを寄せられて、主人公の女の子がそれによって起こるトラブルに巻き込まれるというもの
重い設定だけでなく、コミカルに描かれたクスっと笑えるようなエピソードも多く、割と気軽に読み進めることが出来ます。

ただ、ときおり重い設定が飛び込んできて、主人公がそれについて思い悩むあたりはやはりハーレム物とはいえ、百合漫画でもあるがゆえの独特な雰囲気を感じさせます。
主人公が、自分が誇れるようなことが何もない……と考えていることも、そのことに拍車をかけているのですよね
ようするに、自分がなぜ好かれているのかが分からない。好かれていると常に前向きに捉えられるほど、自分に自信を持つことが出来ていない。
そもそも、自分が他人に誇れるようななにかを、はたして持っているのかどうか。そこで主人公であるメイは思い悩み、それをコンプレックスとしている面もあります。
だから、他の女性の好意を素直に受け取ることが出来なかったり、その思いに気付けない。
そもそも、その根幹にあるのも元はといえば親友の女の子に告白しようとして、その女の子に彼氏が出来たんだといわれてしまった、という点にあるのですよね。

そこで自分が好意を抱かれる存在であるという自信が持てなくなってしまっている。女の子が女の子に恋をすることが一般的なことではないという意識も、この漫画の根底にある部分です。
それゆえに、彼女は常に思い悩んでいるし、彼女をとりまく環境に振り回されているよういんなんですよね。

この漫画は、そういう重いテーマを抱えながらも日々をコミカルチックに描いていることで、真剣に描写されるとともすれば胸が痛くなるようなテーマを、サクサクと読めてしまう点にあると思います。
ところどころで描かれる重たいエピソードをエッセンスにしつつ、全体的な雰囲気が明るく気軽に読めてしまう。それがこの漫画の魅力だと思います。

どれが恋かがわからない コミック 1-4巻セット (KADOKAWA/メディアファクトリー)

登場人物の紹介

どれが恋かがわからないはそこそこ巻数が出ていますし、そもそも百合ハーレムのラブコメ物ということで、各巻ごとのストーリー性がやや薄い面があるのもまた事実です。そこで、今回はあえて簡単に人物紹介をしてこの漫画の魅力をお伝えできたらなと思います

空池メイ

この漫画の主人公です。昔好きだった親友に振られたのが理由から、自分を変えようと大学デビューで見た目をイメチェンして、彼女をつくろうと意気込みますが、若干空回り気味です。
そもそも、大学デビューのためにイメチェンしたまではいいのですが、肝心の大学では既に仲良しグループがいくつか形成されていて、若干孤立していたところから始まってるので。
なお、この主人公が好かれている理由が割とありそうでなかった、各女性たちの五感によるものだったりするのですが……
あれ、これって主人公のイメチェンってどれぐらい効果があったのかな、この設定からすると。

白沢リリ

メイと最初に仲良くなった女性。メイと同じく大学で仲良しグループの輪に入ることが出来なかったため、孤立していたメイと仲良くなる形で関係が始まります。
まあ彼女の場合、モデルをしているという設定ですので、他の女性が近寄りがたかったのかもしれませんが
なお、彼女は触覚担当で、メイの手に触れたり触れられたりすることが好きなことから、恋愛意識が芽生え始めています。

国政カオル

見た目はともかく、中身は案外男気がある……というと語弊があるかもしれませんが、優秀な頭脳と自分にも他人にも厳しく、それでいて面倒見のいいその性格から、女性からも人気がある人物です。
メイとは寮の同室で先輩ということもあり、最初は言動がやや荒っぽいところもある彼女に対し、メイが萎縮したりしますが、仁義に厚いだけで根は優しさも併せ持つ人物であることをしり、交流を深めていきます。
ちなみに彼女は嗅覚担当で、最初からメイの匂いが好きだったため、彼女の方は割と初期からメイのことが好きだったりします。

百目鬼マリア

心理学の講義を担当する女性。というわけで先生なわけですね。登場人物のヒロインでは唯一大学生ではありません。
ちなみに、名字はとどめきと読みます。彼女は得意の心理学を駆使してメイの心境を推理し、メイが女性を恋愛対象として見ていることを当てたりしています。
まあ彼女は視覚担当ゆえに、彼女自身も割と最初からメイのことが好きだったりするのですが。
先生である自分から手を出すのは……などと考えるあたり、意外に奥手だったりします。

ミナト

あれ……? 見直してみてもミナトと呼ばれているシーンしかなくない? 湊と名乗っているシーンはあるので、漢字は分かりますが。
ボーイッシュな見た目で女性からも人気がありますが、実は結構なオタク気質
聴覚担当で、メイに妹の真似をしてもらった声で気持ちよくなったりするあたり、結構見た目の割にはコミカルな傾向の女性

味間カリン

他の女性たちに比べると、キス魔だったり自分の気持に素直で大胆に迫ったりする女性。
食べることが好きですが、女性を食べる(意味深)も好きだったりするあたり、この漫画でも屈指の肉食系女子。
大体察している方もいるかもしれませんが、味覚担当。メイに試しにキスしてみたところ、他の女性とは違う感じがしてメイを意識しています。
他の女性に比べると素直に好意を示しているので、割と早期からメイに自分のことを好きなのでは……と思われているあたりも、この漫画では珍しい立ち位置ですね

最後に

こうして改めてこの作品について考察してみると、やはり主人公が人に好かれるだけのものを自分がもっていない……というコンプレックスを潜在的に抱いているなど、ただ単純なハーレム系ラブコメとして割り切るには重たいテーマなどがエッセンスになっています。
それが物語に深みを与えていますが、同時にそれを読みやすくするコミカルな描写がうまい具合に噛み合っているのが、人気の秘訣なのではないでしょうか?

全体的にはコミカルタッチな描写でありながら、深く考えさせられる描写もあったりで、百合漫画としても割と多くの人にオススメ出来る作品だと思います。

Amazonのアソシエイトとして、雑食亭シムーンの雑記録は適格販売により収入を得ています。

上に戻る
タイトルとURLをコピーしました